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貸間あり――盗聴器付

ちょうど今、NTVが『アルマゲドン』を放映している。
若い黒人の飼っているブルドッグの名前がリトル・リチャードというのは、アメリカ人の感覚からするとどういうのだろう?
それにしても分かりやすい映画だなぁ。個性豊かなプロフェッショナル集団が難事に立ち向かうという、単純明快なストーリー。ラストはアトムみたい。
「カムトゥゲザー」が聞こえるがビートルズではないような……。
「悲しみのジェットプレーン」ってのは、誰の趣味だ?


法に触れるところの、いわゆる「罪」というものは相対的である。人を殺して電気椅子に座る者もいれば国家から勲章を貰う者もいる。人間に限らず「存在」全てが相対的であるからして、むしろ当然というべきかもしれない。
密室で大麻をタネから育て、葉を加工して、吸ったとして、その後完全に証拠を、しかも自分の身体からも隠滅できたとしても、罪は罪である。ただしそれを問う証拠がない。

では密室で紙幣の偽造をしたらどうか。完璧な偽造をして、一切使用せずに、そのままシュレッダーで粉々にした上、さらにドロドロに溶かす。またそれに使用した器具・装置類も原形を留めないくらい破壊する。
紙幣を偽造しただけで犯罪であり、たとえ何分かでも所持していたら、それもまた罪であろう。ただしそれを裏付ける証拠があまりにも薄弱である。

個人の所有する空間ではあるが、所詮は国家の領土であるから、法が適用されるであろうことは想像に難くない。罪を立証できなければ、当局の裁量であるいは摘発は見送られるかもしれないが……。

ここまではたとえ話だ。もちろんオレはかかる犯罪を遂行しようなんてまったく考えていない。何が言いたいのかといえば、では思想犯の場合はどうであろうかということだ。
今後、日本はファシズム、それも衣の下に鎧を隠しているような、真綿で首を絞めるような、そういう陰険な全体主義に向かわざるを得ない状況だ。いや、どんどんその傾向は進んでいる。それこそアルマゲドンでも来ない限り、止めようがない。

国家が納税畜・生産畜・兵役畜たる個人を徹底管理しようとするならば、最後の領域は頭の中である。頭の中はいうならば密室なのだ。その密室内の「罪」を国家権力が、その暴力装置が許さないのだとしたら。それどころか、密室内へ土足でドカドカと踏み込んできて、壁の色を勝手に塗り替えようとしたら。
これから起きるであろうことは、そういうことなのだ。それが日本の未来である。知らぬは国民ばかりなりだ。

人間の「密室」は脆いものだ。悲しいかな、自分からドアや窓を開けてしまう。特に日本人は情緒的だから、感情面でコントロールされやすい傾向がある。

あなた、オーウェルの『1984』を読んだことがありますかね。憎め憎めとたきつけられる憎悪週間の話は示唆に富んでいるとは思いませんか。これでもかこれでもかと自画自賛、自讃毀他、まともな人間ならそんなことしませんヨ。

いかなる正義も憎しみを煽る道理はない、、、と、ちょっと立ち止まって考えてみてはどうか。
これはとても大事なこと。
いや、そもそも正義とか邪悪とか、そんなものも、権力にとって都合のいい道具でしかないのではないかと、やがて気がつく。
どこまでも自分の目と耳を信じること、判断・判定を他者に委ねないこと。ドグマは判断力をスポイルさせる麻薬だろう。情報を鵜呑みにしてはいけない。金をかけて自分の悪事を報道する阿呆がどこにいる? 
憎しみを煽るビッグブラザーの、そのウソとインチキと悪意を見抜くだけの洞察力、直観力、判断力が、あまりに足りなかったのではないか。
芸能界を支配する事務所のスキャンダルを報道しないのとおなじように、新聞もテレビもタブーに束縛されているのではないか、という単純な類推さえ出来ない想像力の欠如。
気がついたら、「王様は裸だ!」と、もはや誰も言えなくなっていた、という現実にさえ、気がつかない認識力の鈍磨。
等々、反省点が出そろってきたところで、やっとフィギュアの輪郭が逆光の中に浮かび上がってくることだろう。
――おいおい、こりゃ神曲地獄篇かデビルマンか!?

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