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東京都や新宿区がツブした60's新宿カルチャーについて

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東京人7月号 特集『新宿が熱かった頃 1968-72』900円。

あいかわらず怪しい広告の載っている雑誌です。900円という売値で、実売どれくらいでしょうか。売れても売れなくてもいいのですから、気楽といえば気楽です。
今回はあのころの新宿がテーマ。時代の勝利者たちはいまや権威です。彼らの語る勝者の歴史に改めて耳を傾けるのもいいでしょう。

 

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せっかくですからここで、うちの資料室にある新宿関係の書籍を紹介しておきましょう。

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関根弘著『わが新宿!』1969年 財界展望社。
大正9(1920)年生れの編集者で詩人の著者が、あの時代の新宿をまさに当事者として活写した記録。写真や地図、年表もあり史料価値絶大。

 

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三田和夫著『新宿慕情』1975年 発行=正論新聞社出版局、発売=恒友出版。
元讀賣新聞社会部記者で正論新聞を創設した著者によるエッセイ集。
事件記者時代に出会ったさまざまな人間たち、事件を回想しています。ちなみに当時の正論新聞社は丸山明宏(美輪明宏)が借りていた部屋のとなりだったそうです。
 

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田辺茂一著『わが町・新宿』1976年 サンケイ出版。
ご存知、新宿「紀伊国屋書店」社長(故人)。映画『新宿泥棒日記』に出演なさってましたね。本書は1975年1月からサンケイ新聞(産経新聞)に連載していた随筆をまとめたもので、氏は当時70歳。なにしろ回想録は明治から始まるんですよ。まずはこれを読んで、おおまかな新宿の歴史のアウトラインを把握したいところです。
 

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野坂昭如著『新宿海溝』1979年 文藝春秋。
自伝的長編実名小説。
「新宿の深いネオンの海を回游する文士、編集者の群れ。文壇を仰ぎ見つつ酒場の片隅で耳傾けていた、あの遠い日々。獣道を共に辿った多くの友人との邂逅、そして別れ――」(腰帯の宣伝文句より)
巻末に登場人物・登場店名の索引があります。
 

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森泉笙子著『新宿の夜はキャラ色 藝術家バー・カヌー』1986年 三一書房。
1960年代前半に、作家・芸術家・文化人がたむろしていた新宿のバー「カヌー」の物語。実に多士済々な顔ぶれ。表紙のADはなんと常連客だった埴谷雄高。
 

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伊ノ部康之著『新宿・どん底の青春』1992年 朝日新聞社。
昭和26(1951)年、役者志望の青年達によって始められた酒場「どん底」は2005年現在も盛業中です(ビックリ!)
どん底
http://yama.ne.jp/kaname/home/donzoko/
演劇人・映画人・作家に愛された伝説の酒場の“青春時代”を描くドキュメント。
 

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太田篤也著『新宿池林房物語』1998年 本の雑誌社。
1964年に北海道から上京した著者が、努力の末、新宿で店を開くまでの青春記。60年代新宿の喫茶店、バー、飲み屋などが多数登場する。
 

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渡辺英綱著 ラピュタ新書002『新編 新宿ゴールデン街』2003年 ふーじょんぷろだくと。
ゴールデン街の酒場「ナベサン」経営者でもある著者が振り返る、戦後の新宿。
 

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窪田篤人著『新宿ムーラン・ルージュ』1989年 六興出版。
森繁、由利徹、三崎千恵子、市村利幸らを輩出した、ご存知新宿ムーラン・ルージュ。その最後の文芸部員であり、「七人の孫」や「マリーの桜」など数々の名作ドラマを書いたシナリオ作家の著者がつづる“センチメンタル・ジャーニー”。
 

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小津豊子著『光は新宿から』1998年 K&Kプレス。
敗戦直後の新宿にいち早くマーケットを開いた関東小津組組長・小津喜之助の評伝。
著者はその長女。
 

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¶postscript―*
こんな連載記事を見つけました。
asahi.com:記事一覧 - マイタウン東京 - 中央線の詩
(2006年4月16日)

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